投資先の説明
MMFは安全な投資を行っていると説明致しましたが、では安全な投資って具体的にはどのような投資なのでしょうか。
公社債
お金を借りるときに、普通は借りた人に返します(住宅ローンは貸してくれた銀行に返します)。
しかし、お金を借りる際に、お金を返すという証拠を渡し、その証拠を持ってきてくれたらお金を払う、という約束をすることがあります。この証拠を債券、ということがあります。国の債券を国債、といいます。
また、国債と地方自治体の債券を合わせて公債と言います。会社の債券は社債です。公債と社債を合わせて公社債と呼んでいます。
MMFのメインの投資先はこの公社債です。
債券の安全性を表す格付け
公社債がちゃんと支払ってもらえるのか、を考える際、参考にできるものが二つあります。
格付け、と、期間です。
まず格付けについてです。債券の格付け、というのはその債券の安全度合いを分かりやすく記号で表したもので、格付会社がつけています。
よく日本の格付けが下がった!とニュースになったりしますが、あれは、日本という国がしている借金(国債)を返せるかどうか、格付け会社が評価すると、心配になってきた、という意味です。
MMFの投資対象は一定の格付けを取得しているものに限る、という条件がつけられているケースがありますが(目論見書に書いてあります)、格付けは安全かどうかの目安になるので、その条件がつけられているのです。
また、債券の安全性を考えるに当って、格付けと合わせて重視されるものが期間です。
明日返してくれる約束と、10年後に返してくれる約束だったら明日の方が安心です。1週間後と1ヶ月なら、1週間後です。
このように期間が短い方が安全なのです。そのためMMFは投資条件として、期間が1年未満の投資、に投資範囲を制限しているケースがままよくあります。
公社債以外の投資
さて、MMFの投資は、公社債以外に、CPやCD、コールローンに対して行われます(目論見書に記載されています)。このCP、CD、コールローンとはなんでしょうか。
コールローン
まず、分かりやすいのがコールローンかと思います。
コールローンは極めて短期間の(例えば1日とかの)、金融機関(銀行など)に対する貸付です。銀行が分かりやすいかと思いますが、銀行ってうなるほどお金を持っているように見えますが、毎日とんでもない量が入ってきたり、出て行ったりしていますので、明日はお金が足りない!あるいは逆に明日はお金があまっちゃった!なんてことが一時的に、また日常的に発生します。
あまっちゃったら持っていればいいようにも思いますが、誰かに貸してあげれば利子がもらえます。銀行の場合には、このあまっちゃう金額が数百億円とかいう単位になりますので、利子が取れるかどうかで、だいぶ儲かるかそうでないかが変わってきます。
前置きが長くなりましたが、このようなお金の足りない金融機関が、お金の余った金融機関から短期間、お金を借りる市場のことをコール市場と言います(コールとは「呼ぶ」という意味で、呼びかければ、つまり口で言えばすぐに返してもらえるくらいちょっとしたお金の貸し借り、という語源があります)。
MMFは金融機関としてコール市場へ参加することができます。そして、MMFはお金が足りなくて人から借りる、ということが基本的には発生しませんので、銀行を始めるとする金融機関にお金を貸す側、として参加します。
このコール市場で貸し出されたお金を、コールローンと言います。このコールローンですが、期間が短いこと、貸し出す相手先が銀行等の金融機関に限られることから、とても安全性の高い投資になっています。
CP(コマーシャルペーパー)
次にCPですが、これはコマーシャルペーパー(CommercialPaper)、つまりは約束手形を利用した企業の資金調達です(コマーシャルペーパーの日本語が約束手形です)。
約束手形、は元々は紙の証書です。その証書を持っている人に、お金を支払う、という約束が書かれている証書です。
約束手形をもってきたら、その約束手形に書いてある金額を私が支払います、という支払う予定の人が借金の際、あるいは商品を買った際に書いて、お金を貸してくれた、あるいは商品を売ってくれた相手に渡します(この渡すことを、手形を振り出す、という言い方をします)。
CPは社債と非常に良く似ています。MMFを購入するに当って区別して覚える必要はないと思います。
CPは、返済期日までが短期の社債、という理解でいいと思います(なお、社債は発行のために結構手間と時間とお金がかかるため、通常は長期間(3年から5年、下手するともっと長く)で返す条件となっています。
CPは公社債と同様に格付けと期間から安全なものが選ばれます。
CD(譲渡性預金)
最後にCDですが、これは譲渡性預金のことをいいます(CDは、Certificate of Depositeです)。
定期預金は、1ヶ月なり3ヶ月なり後に、預けた金額と利息を受け取れますが、その期間はお金を引き出すことができません。
譲渡性預金も定期預金です。ただ通常の定期預金と異なるのは、他人に譲渡することが出来る、つまり換金できるという点です。
CDはコールローンと同様に金融機関向けであることから安全性が高いと考えられています。
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